
副交感神経を高めてキレイに痩せる
自律神経を整えれば、体の中からキレイに痩せれることをご存知ですか?
健康的に痩せるためには、腸内環境を整えてストレスフリーでやせることが大事なのですが、腸内環境が整うと、美しく痩せて美肌になり、体調も改善されてくるのです。
さらに一歩進んで意識していただきたいのが、自律神経のバランスを整えるよう心がけること。自律神経は、交感神経と副交感神経という二つの神経に大きく分けられ、交感神経が高まると体はアクティブモードになり、心拍数が上がって血管が収縮します。交感神経は、私たちが活発に活動する昼間に活性化する神経です。
一方、体をリラックスモードにするのが副交感神経。休息する夜に活性化する神経です。副交感神経が上がると、心拍がゆっくりになって血圧も下がり、体はゆったりと落ち着きます。これら二つの神経が同じレベルにあるのが理想的なのです。
交感神経が優位な状態ばかり続くと、心身ともに常に緊張状態におかれ、へとへとに疲れてしまうことでしょう。この状態が続くと、血管が傷ついたり、免疫力が低下したりして体の抵抗力が落ち、病気になりやすくなってしまいます。
また、副交感神経優位な状態ばかりが続くと、やる気が起こらず、無気力なうつ状態を招きます。これら二つの神経がバランスよく、しかもお互い高いレベルで機能していることが理想的です。両者が同レベルで、時間帯によって少しだけ片方が優位で入れ替わりもおだやかという状態が、自律神経のバランスが整った状態といえるのです。
自律神経は腸や血流の働きをコントロールしていますから、バランスがくずれると全身に悪影響を及ぼし、便秘や肥満、むくみや冷え、肩こりゃ腰痛などを引き起こします。また、イライラや落ち込みなど、不安定な精神状態も、自律神経の乱れで引き起こされます。
さらに、ストレスが多く、交感神経が高めの生活が続くと、夜になっても副交感神経が上がらない体質になりがちです。すると、寝つきが悪くなって不眠を招きます。
このように、ストレス社会に生きる私たち現代人は、ほうっておくと副交感神経は下がる一方。女性では40代、男性では30代くらいから副交感神経が格段と下がることが実証されていますから、意識して副交感神経を上げていくことが、いつまでも若く美しくスタイルをキープできる秘訣といえるでしょう。
副交感神経がアップし、自律神経のバランスが整うと、細胞に質のよい血液が流れるようになり、さまざまな健康・美容効果が得られます。また、多少のストレスでパニックを起こすこともなくなりますから、ストレスにも強くなってくるでしょう。
朝は体のバランスを整える
自律神経のバランスは、ふだんの生活の中で簡単にコントロールすることができます。
コツは、早寝早起きを習慣づけ、朝方の体内リズムを安定させるよう心がけること。続けるうち、次第に交感神経と副交感神経のバランスが自然に整ってくるはずです。
睡眠から目覚めた朝は、交感神経と副交感神経が入れ替わる時間帯。睡眠中優位だった副交感神経が、朝目覚めると、交感神経優位の状態へと入れ替わります。この朝の切り替えがスムーズにいくと、その日一日の自律神経のバランスもよくなっていきます。
バタバタしがちな朝ですが、できるだけゆっくり余裕を持って行動することが大切です。すると、朝、劣勢となる副交感神経を下げすぎず、精神的にも落ち着いて過ごすことができます。
朝日を浴びる
朝目覚めたら、パッと起き上がって朝日を浴びましょう。
朝日を浴びることで、私たちの体に備わった時計遺伝子が正常に作動し、一日のスタートであることを体に知らせます。
これを続けるうち、体内リズムが安定し、自律神経のバランスも整ってくるのです。また、食生活の乱れもを乱す原因となりますから、きらんと朝食をとるようにしましょう。
2〜3分のゆったりタイムを持つ
朝、余裕がなくてパニックになると、忘れ物をしたり、あわてて転んだり、かえってあせってしまいがち。ミスにミスを重ねる危険性を高めてしまいます。
交感神経が上がりすぎ、副交感神経が落ちた不安定な自律神経を手っ取り早く安定させるためには、たとえ数分でもいいですから、一度ゆっくりした行動をとり、副交感神経を上げることが大切です。
ゆっくりお茶を飲んだり、ていねいに歯を磨いたり、スキンケアに手をかけるなどして心を落ち着かせましょう。かかってもせいぜい2〜3分ですから、この時間を利用して自律神経の状態を安定させ、いつもの冷静さを取り戻しましょう。乱れたままの自律神経で出かけてしまわないことが大切です。
おかしくなくても笑ってみる
そして、一瞬で自律神経を整えるコツが、口角を上げてにっこりとほほえむこと。
表情筋の変化が脳の視床下部に影響し、副交感神経の数値が上がることが実験で実証されています。イライラしがちなあわただしい朝こそ、おかしくなくても、鏡を見てにっこり笑ってみましょう。
朝の笑顔がその日一日の流れを決めるといってもいいでしょう。
昼は余裕をもって過ごす
朝から上がりはじめた交感神経は、昼をピークに下降していきます。逆に、副交感神経は昼ごろから上がりはじめ、夜中にピークを迎えます。このリズムに沿って行動すれば、仕事や家事などの作業効率が格段とアップするでしょう。
とはいえ、常に時間に追われている多忙な現代人は、交感神経が暴走しがちです。交感神経が過剰に上がりすぎるとミスを招きますし、集中して物事に取り組むこともできません。
そこで、意識して「ゆっくり、早く」を心がけながら、余裕を持って過ごすようにしてみましょう。このように意識すると、交感神経の上がりすぎを防ぎながら、副交感神経を上げていくことができ、自律神経のバランスが整っていきます。集中力がアップして作業効率を高めることができるのです。
自律神経のリズムに合わせてスケジュールを組むとともに、意識的にゆったりと物事に取り組むことを目指しましょう。
午前中は頭を使う仕事にあてる
交感神経が上がりはじめた午前中は、副交感神経もある程度高めレベルにあります。これはつまり、自律神経のバランスが理想的な状態。
こんなときは、ルーティンワークよりも、企画書を書いたり、頭脳仕事に集中したりする時間にあてましょう。頭脳をフルに使う仕事は、できるだけ午前中に取り組むのがおすすめです。
午後3時以降になると副交感神経が優位になり、リラックスモードになってきますから、夕方以降はそれほど集中力を必要としない単純作業などにあてるといいでしょう。
昼食前に1杯の水を飲む
昼食後眠くなることも、自律神経と密接にかかわっています。昼食前や食事の食べはじめは、交感神経が優位な状態ですが、胃腸が動くことで一時的に副交感神経優位な状態になります。この入れ替わりが急激なほど、激しい睡魔に襲われるのです。
つまり、すきっ腹の状態に一度にたくさん食べてしまうことが、自律神経のバランスをくずして睡魔を招く原因なのです。
そこで、食事の前にコップ1杯の水を飲んで、あらかじめ胃腸を剌激しておきます。こうすると、食べる前から副交感神経を徐々に上げていくことができます。さらに、ゆっくりよくかんで食べることで、副交感神経が上がるスピードがゆるやかになっていきます。
いつも「お先にどうぞ」を心がける
エレベーターや電車にわれ先に乗り込もうとしている状態では、副交感神経を上げることはできません。ふだんから相手を思いやる余裕を持ちながら過ごすことで、自律神経は整ってきます。
上質な睡眠をとる
自律神経のバランスを整えるため、睡眠も欠かせない条件の一つです。
睡眠が深くなればなるほど、副交感神経も活性化されて、腸も充実して動き、代謝もよくなるからです。それによって血液の質もよくなるため、肌も髪も美しくなり、太りにくく痩せやすい体になっていきます。
不眠状態が続き、本来副交感神経が上がるべき時間帯に交感神経が上がったまま下がらない毎日では、慢性的な睡眠不足を招きます。副交感神経がなかなか上がらなくなるため寝つきが悪くなり、朝起きられなくなって昼間もボーツとしてしまいがち。睡眠不足は毎日の生活や仕事に悪影響を及ぼします。
そこで、ふだんから質のよい睡眠をとるよう心がけることが大切です。睡眠時間の長さよりも、どれだけ深くぐっすり眠れるかということがポイントです。
そのためには、夕方から夜にかけて副交感神経を上げていくのがコツ。夜の間にきちんと副交感神経を上げておけばぐっすり眠れて心地よくリラックスでき、血流や胃腸の働きもよくなって明日への活力となります。
なお、明るすぎる照明やテレビ、パソコンなどで目や脳を刺激したり、アルコールをとったりすることは、交感神経を高めて眠りを妨げますから、できるだけ避けましょう。
夕食は寝る3時間前までにすませる
食事中は交感神経が優位な状態ですから、食べてすぐ寝ると交感神経が高いまま眠りにつくことになり、副交感神経は十分上がってくれません。
夕食後、副交感神経優位な状態へと移行するには3時間かかりますから、寝る3時間前までには夕食はすませましょう。
夕食後は30分のウォーキング
夜、適度な運動で血流をよくして副交感神経をアップすれば、スムーズな眠りに入れます。
そこでおすすめなのが、夕食後30分程度のウォーキング。激しい運動ではなく、軽い散歩程度の運動をすることで血流がよくなり、こりゃ疲れも解消され、ぐっすりと眠りにつけるでしょう。
寝る前にぬるめの15分半身浴
寝る前に39〜40℃のぬるめのお湯に15分ほど半身浴すると、血流がよくなって緊張がほぐれ、自然に副交感神経が高まります。この入浴法なら、体の深部体温を38.5〜39℃という適温に保って自律神経を整え、血流をよくしてスムーズに安眠できます。
一方、42〜43℃の熱めのお湯での入浴は交感神経が急激に上がって血管が収縮し、直腸温度も急激に上がって自律神経のバランスを大きくくずしてしまいますから、要注意。ちなみにシャワーは深部体温を下げてしまうのでおすすめできません。
なお、おふろ上がりには必ずコップー杯の水を飲んで水分補給を忘れずにしましょう。
自律神経を整える音楽
自律神経のバランスを整えるときに、音楽も非常に大きな役割を果たします。
こんなとき、いわゆる癒し系のヒーリング音楽が有効と思われるかもしれませんが、実は、ロックミュージックが最も自律神経を整えてくれることが実験からわかっています。
おすすめは、軽やかなビートのもの。というのは、ロックの規則的に刻まれるビートが、白律神経のバランスを整えるのにひじょうによいからです。
もちろん、そのときに自分が聴きたいものや、好きなものを聴くこともとても大切です。クラシックでもなんでも、ジャンルは問いません。さらには「思い出の曲」でもOK。なぜなら、自分か一番充実していたときや、輝いていたときによく聴いていた曲などを聴くと、瞬時に当時の自律神経のレベルに戻してくれるからです。音楽は、記憶を呼び覚ます最高のツールでもあります。
よく、一流のアスリートが競技の前に、好きな音楽を聴いて心を鎮めているといいますが、こんなときは、聴き慣れた音楽よりもあまりなじみのない新しい曲を選んだほうがいいでしょう。
できるだけ新鮮な、ビートを刻んだようなものを聴いて、ふだん聴いている音楽とのメリハリをつけることで、集中力が格段にアップするのです。
もっと集中したいときは、メトロノームの音を聴くだけでもいいでしょう。一定の速度でリズムを刻むものは、自律神経を安定させるのに適しています。
いつも笑顔で
自律神経の達人は、どんなときも笑顔を忘れません。「笑顔」は、自律神経のバランスを整えるのに絶対に欠かせない条件なのです。
口角をキュッと上げて、とくにおかしくなくても、まずは笑顔を作ってみるだけでもいいですから、笑ってみるのです。副交感神経が上がり、血流が上がって自律神経が整うことは前述したとおりです。
ふだんから抜群の笑顔になれるよう習慣づけていると、自然と形状記憶のように身についてくるもの。やわらかく笑う表情筋の動きを脳が記憶して、副交感神経が一瞬にしてアップするよう体が変化していくのです。
たとえば、遠くで信号待ちをしている人が、仏頂面をしているのと、なんとなくおだやかにほほえんでいるのとでは、周りに与える影響も違ってきますよね。安定した自律神経がもたらすよい空気が、笑顔を通じて周囲に広がっていけば、必ず相手にも通じるものです。
そう、いい自律神経は確実に周囲にも伝染するのです。
逆に、自律神経がボロボロの状態の人が一人でもいると、周りに悪影響を及ぼします。それほど自律神経のパワーは強いのです。
いい自律神経は、いい自律神経を呼びます。海外では幼いころから、スマイルの練習をさせられます。自分は自分自身であるけれども、他人にとっての対象物でもあるということを徹底的に叩きこまれるのです。そのことを私たちも常に意識して、ふるまいには気をつけたいものです。
ステキな人に出会いたいなら、まず、自分自身の自律神経を整えることが、一番の近道です。
いい自律神経は、いい自律神経を呼び、自律神経のレベルを上げていけば、必ず自律神経が高いレベルで安定したすばらしい人たちが、自然と引き寄せられるように集まってくるものです。これほどハッピーなことはありません。
人は、イヤなことがあると笑顔をなくします。背中は丸くなり、うつむきがちになってネガティブなオーラに包まれます。こうなると、見た目がよくないだけではなく、実際に気道が狭くなって呼吸が浅くなり、自律神経も悪い方向に進むため、リンパ球の中のナチュラルキラー細胞がへって免疫力は低下し、健康面でも悪影響をもたらします。
イヤなことがあって落ち込みがちなときこそ、意識して顔を上げて胸を張り、口角を上げて笑顔になってみましょう。たったこれだけで、気道がまっすぐ通って呼吸も深くなり、副交感神経の働きが上がって、自律神経のバランスが整ってくるでしょう。
腹立たしいことやイヤなことがあっても、自律神経をコントロールするだけでどんなときも笑顔でいられる、凛とした人を目指そうではありませんか。そうすれば自然にキレイに痩せることができる体と心を手に入れることができますよ。
